[ツアー]

アーティストが見た北海道・札幌プログラム02 小樽ツアー 深澤孝史

日程: 2017年9月23日

場所: 北海道小樽市

アーティストのリサーチは独特の視点とテンポで行われている(予想)がとても面白く、興味がつきません。
そこで、アーティストがリサーチをすでに行った場所の事象をアーティスト自身がガイドとなって、他者を連れて行くとどうなるだろうかと考え企画しました。アーティストのリサーチを追体験・疑似体験、またはツアー参加者がまったく別のものに仕立ててしまう(?)参加型プログラムです。

オタル 信仰・近代・美術を巡る

 北海道開拓の歴史を紐解くと、江戸末期、明治にかけて小樽は北海道の中心として急速に栄えていきました。鰊(ニシン)漁と鉄道が主な産業です。北海道経済の中枢、北のウォール街として日本銀行、北海道銀行など多くの金融機関の集まる場所でもあり、同時
に文化や信仰の面でも栄え、華やかな歴史的建造物が今も数多く残っています。
 縄文時代から人が住み、江戸時代には和人の村もできた漁師町である祝津の下赤岩山の白龍権現は、アイヌのコタンの伝承と明治初期に高野山から来た僧による修験道の場とが習合した霊山です。白い大蛇に何人ものアイヌの娘が生贄に出され、余市のアイヌの娘が猟犬とマキリを携え退治した伝説が残っており、神社や寺院が建ち、山道を白蛇の胎内に見立てた巡礼路も整備されていきました。そして近代以後は、登山道としても親しまれるようになります。
 また小樽は、国際的に活躍した版画家が住んでいた町でもありました。斎藤清、河野薫、一原有徳の三名がその筆頭と言えます。今回は彼らの生活にも重要な位置を占めていた小樽の近代と信仰を巡る旅に出かけます。(深澤孝史)』

ツアー企画およびガイド
深澤 孝史(ふかさわ たかふみ)
美術家。1984年生まれ。様々な場でプロジェクトを展開。
代表作に《神話の続き》(奥能登国際芸術祭 2017)、《常陸佐竹市》(茨城県北芸術祭 2016)、《越後妻有民俗泊物館》(越
後妻有大地の芸術祭 2015-)、《とくいの銀行》(取手アートプロジェクト 2011-)など。

参考資料

映像・音資料