阿寒国立公園の峰々を遠く北に望み、その麓を源流とした流れは、タンチョウの舞う釧路湿原国立公園を通り抜け太平洋へと続きます。
道東の中核都市釧路市は、その流れがまさに太平洋へと注がれるところに開け、霧が町を包む春から夏、抜けるような秋空と夕陽の幣舞橋、氷に光輝く冬など大自然に囲まれた豊かな表情の北の街釧路として、全国にその存在を発信しています。
平成4年11月釧路川を眼下にし、市内を一望できる幣舞の高台に生涯学習の拠点施設として釧路市生涯学習センター(まなぼっと幣舞)がオープンし、3階にアートギャラリーも同時に活動を始めました。多くの優れた展覧会を開催し、市民にも親しまれてきましたこの施設も、平成12年4月に、より一層の飛躍を目指し、「釧路市立美術館」と名称を変え、再出発いたしました。
館内は大小2つの展示室を中心に高水準の展示機能を備え、国内外の優れた美術品を紹介する特別展や所蔵作品を中心とする常設展を活動の主体に据え、郷土で活躍する作家の作品や郷土にゆかりのある作品を収集・研究するほか、ハイビジョンシアターでの作品の解説やセミナー、美術講習会など生涯学習センターの機能を活用した教育普及事業により、複合施設としての利点・特長を十分に活かしたものとなっています。
新しい世紀を迎え、多様な時代の要請の中で、「釧路市立美術館」は風土に根ざし、市民と共に築き上げていく地域の美術館として活動し、心の潤いと豊かさを求めた生涯学習推進の一翼として機能してまいります。
2000/04
1992/11