1976 年大阪生まれ。映像や音響の存在論を考察した静謐なインスタレーションやビデオ作品で知られる。これまで個展をオオタファインアーツ(2016 ほか)、水戸芸術館(2010)、ゲーテ・インスティテュート・ハノイ(2009)などで行う。また第 12 回リヨン・ビエンナーレ(2013)などの国際展にも参加。近年は国立新美術館(2016)、上海21 世紀民生美術館(2016)、パラッツォグラッシ美術館(2014)などのグループ展等において作品を発表するほか、世界各地のアーティ
スト・イン・レジデンスに招聘され滞在制作も行う。
2019/10/26 - 2019/11/10
2018/12/16 - 2019/02/19
さっぽろ天神山アートスタジオでは、南隆雄を2018年度の冬季国際公募 AIR プログラム、同時期滞在日本アーティストとして招聘しました。アーティストが実現を希望したプロジェクトのプランは、網走にある北海道立北方民族博物館のご協力なしには成立し得ない内容でした。博物館にアーティストから直接プロジェクトの主旨を説明する機会が与えられ、ご理解をいただき、2018 年 12 月 16 日から 2019 年 2 月 19 日までの長期間、博物館に通い収蔵品を撮影しました。レジデンス期間をすべて制作に費やし、約1年後に博物館内で成果発表を展開することになりました。
《コレクション・サーベイ》は、博物館収蔵品と、それらを撮影して再構成した映像、そしてコンピュータ制御された監視カメラで構成されます。ここで南が試みたのは、北方文化圏における視覚要素の変容を「グラデーション」として描くことです。例えばアイヌの衣服の文様とイヌイトの彫刻、それぞれを映像のなかで組み合わせることで、いまここにある実物の収蔵品
が、映像によって場所と時間を超え、イメージの思いがけない連鎖を生みました。加えて民族資料と監視テクノロジーの代表ともいえるロボットカメラの一見意外な、しかし博物館ではよく見かける組み合わせから生まれるイメージの現在性。これらが館外の北海道の景色とも呼応して、ひとつの美術作品となりました。
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さっぽろ天神山アートスタジオ2019年度活動記録集Part.1
SAPPORO TENJINYAMA ART STUDIO ANNUAL REPORT 2019
2019/10/26 - 2019/11/10
2019/01/05 - 2019/03/06
2006